しもうら(熊本県天草市下浦町)弁天会は地域おこし団体です。
長崎のオランダ坂、出島、大浦天主堂、グラバー邸、端島などの世界遺産の建設には、「天草の人と石」、特に下浦石(花崗岩ー御影石)と下浦石工が大きく関わっていました。
爾来、石切丁場を「下浦弁天石切丁場」と呼び、現在の下浦町漁協横にその遺跡があります。
下浦石は町の各所から切り出し、石切丁場まで運んで加工して、船に載せ海から出荷されました。
私達は、このように価値ある有形無形の歴史的事物について、2013年から2015年に行われた九州大学大学院藤原教授のフィールドワークに参加したことを機に、このしもうら弁天会を発足させました。
歴史や文化を学び後世に伝えることと同時に、過疎化高齢化が著しくすすむ町で、今、自分達が出来ることは何なのか…と考えました。事業のひとつとして、町の長老を講師に迎えて貴重なお話を聴き、「知的遺産」としてビデオで残していく活動も始めております。
また下浦町フットパスコース作りも同時進行で行なっており、下浦町振興会との共催で3つのコースができました。
古いものを残すだけではなく、この下浦町に新しい文化が芽生え、町に活力が出来たらとの思いを「下浦土玩具」を制作することで、新しい形ができました。
それは天草には300年以上伝わる「天草土人形」という伝統工芸品があります。その伝統を大切に残しながら、現代版の土人形も出来ないかと、武蔵野美術大学の若杉教授とデザイナーが、新生「下浦土玩具(どろがんぐ)」を提案され、私共が作り始めました。
また地域に芸術や文化が根付けば町が元気になるとの思いから、ライブや映画上映会などを毎年開催しています。
「鬼頭つぐる&竹内正陽」のライブは町中が盛り上がります。
以上を『下浦学林(コレジオ)』として、歴史や文化を学びながら活動をしていく会になりました。
活動資金は、会員年会費、下浦町特産の晩柑生搾りジュース益金(下浦町ふるさと祭りや下浦神社例大祭、天草市菖蒲祭りでの販売)、下浦土玩具の益金〜このような活動で僅かづつお金を集め、石切丁場跡地の整備をしたり、下浦町が元気になる活動を続けているという地域住民団体です。
現在、会員31名。(他、東京支部等の会員10名)